知る・学ぶ

納入事例

「眠りSCAN」で睡眠状態を見える化
個別ケアを実現しスタッフの負担軽減

片岡 伸子 さん
社会福祉法人桐和会
道合さくらの杜 施設長
片岡かたおか 伸子のぶこ さん

埼玉県川口市にある特別養護老人ホーム「道合さくらの杜」では、2015年4月の開設時からパラマウントベッドの見守り支援システム「眠りSCAN」を全床に導入して個別ケアと自立支援の実現に役立てています。介護スタッフの肉体的・精神的な負担が軽減され、より適切なケアができるようにもなったそうです。社会福祉法人桐和会道合さくらの杜 施設長の片岡伸子さんに「眠りSCAN」の活用状況や導入メリットについてお話しいただきました。

眠りSCAN

個別ケアの実現へ向けて導入 スタッフの負担軽減も考慮

「道合さくらの杜」は、140床の特別養護老人ホームです。全室個室でユニットケアを行い、入居者一人ひとりの個性と生活リズムを尊重した個別ケアを提供して、自立支援ケアに積極的に取り組んでいます。
10部屋を1ユニットとし、夜勤は1人のスタッフにつき2ユニット、計20人の入居者をケアしています。夜8時から翌朝7時まで1人で対応するので、スタッフの肉体的・精神的な負担は大きくなりがちです。
負担を軽減するとともに、よりきめ細かなケアをしたいという思いから、ベッド上の入居者の状態をリアルタイムでモニタリングする見守り支援システム「眠りSCAN」を全室に導入しました。
当法人では、今年4月にオープンした「三郷さくらの杜」でも全床に「眠りSCAN」を導入しました。
眠りSCANは、ベッドのマットレスの下に敷くだけで、体動などの微弱な振動を捉えて、睡眠、覚醒、呼吸数のほか、起き上がり、離床などの入った情報はスタッフルームのパソコンのモニターや携帯端末にリアルタイムで表示され、スタッフは入居者それぞれの状態を把握することができます(図)。起き上がりや離床の動きがあれば、すぐに確認して対応できます。

 
眠りSCANのリアルタイムモニター画面

夜間は2時間ごとに巡視を行って、睡眠中の各入居者の呼吸の状態も確認しています。経験のあるスタッフは寝ている方の口元に耳を近づけて息づかいを確かめたりするのですが、呼吸の浅い方もいて確認が難しいこともあります。
そんなケースでも眠りSCANによって呼吸状態がわかるので、見守るスタッフの負担はずいぶん軽減されました。経験の浅い若いスタッフも、眠りSCANのサポートがあるおかげで、1人夜勤でも安心感があるようです。

睡眠日誌のパターンから適切に夜間のトイレ介助

眠りSCANでは各入居者の睡眠日誌を作成できます。睡眠は青、覚醒は黄色で表示され、一目で熟睡タイプか頻繁に覚醒するタイプかわかります。例えば、眠りが浅く頻繁に目覚めたり、トイレに起きる回数が多い人は、睡眠時の覚醒パターンを見て、覚醒してくるタイミングでトイレに誘導しています。こうするとベッドに戻った後、再入眠しやすくなり、睡眠の改善に役立っています。足腰が弱って転落や転倒のおそれがあるなど、注意するべき入居者に対しては、その人の状態に応じたアラート設定により、いち早く駆けつけて危険な事態を未然に防げるようにしています。
起床時もスタッフルームの画面でモニターしながら、覚醒した人から順に声がけし、快適に目覚めをしてもらえるようになりました。
不眠を訴え、睡眠薬や睡眠導入剤を手放さない人がいたのですが、本人の睡眠データを見せたところ、よく眠れていることを納得して自発的に薬の量を減らした例もあります。入眠剤の処方を受けていた人で、睡眠状態が改善傾向にあるのがわかって、ドクターが用量を減らしたり種類を替えたケースもありました。

体調の変化にも素早く対応ケアの効果も見える化

眠りSCANは呼吸数も測定・記録できるので、その推移を日誌として一覧すると、体調変化を素早く確認できます。平常時よりも呼吸が速くなっているような場合は、肺炎や発熱などを疑います。実際に、呼吸数の変調に気付いて医師の診察を受け、カゼから生じる肺炎をいち早く発見することができた例もあります。
早期に治療できれば、入居者の身体の負担を軽減できるのはもちろん、入院するリスクも減ります。入院するとその間その入居者がいないということにもなってしまいます。経営的には入院せずにすむことが、収益にもつながっています。
スタッフにとって、睡眠の状態を様々なデータで見える化してくれる眠りSCANは頼りになる見守りのツールです。一方、ケアの現場ではベテランスタッフの経験や感性がデータより役に立つことも少なくありません。しかし昨今ではスタッフ不足が深刻で、ベテランスタッフの経験を若いスタッフに伝えていくことがなかなかできません。そこで、ベテランスタッフの経験と眠りSCANから得られた実際のデータとを突き合わせて、ケアの精度を高めるためのマニュアルづくりにも取り組みたいと考えています。
私たちは、入居者の個々人に向き合ってそれぞれにふさわしいケアを心がけていますが、眠りSCANのようなサポートツールを活用し、その効果がデータで見えてくれば、 職員のモチベーションアップにもつながると思います。今後、データをさらに駆使していくことで、より一人ひとりに合った個別ケアを提供し、自立支援を目指していきたいと思います。